眠る龍を眺められる谷「ナメゴ谷」を上る

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紀伊半島を斜めに横断する「国道309号」。三重県熊野市と大阪府大阪市を結ぶこの道の一部区間は酷道として有名です。とはいえ、“酷い道”なのはクルマやバイク視点での話。自転車乗りからすれば、すばらしいヒルクライムスポットです。

今回紹介する「ナメゴ谷」の特徴は、龍が棲んでいること。

目次

コース概要

スタート地点は国道169号上のどこかがいいでしょう。ナメゴ谷は紀伊半島のわりかしど真ん中の山の中、よく整備された国道169号をすっ飛ばしていくくらいがちょうど良いと思います。

関西圏からだと近鉄 大和上市駅がある吉野町スタートが妥当そうです。関東からのアクセスについては長くなりますので、下記余談に記します。

コースプロファイルは約10kmで獲得票高が650m弱(平均勾配6.45%)といった具合。概ね一定ペースで上るタイプで、長い上りではありますが、どちらかと言えば与しやすい部類かと思います。

実走時のスタート地点について(余談)

関東から輪行するのであれば、JR東海道新幹線で大阪まで行き、天王寺駅から近鉄特急で大和上市駅に行くのが良さそうです(都内からだと5時間くらいかかりますが…)。

しかし、実走にあたっては松阪駅(三重県松阪市)まで東京から輪行し、奈良県上北山村まで自走して1泊、翌日朝一で向かう、という七面倒なことをしました。

どうせ前泊するのであれば三重に輪行して国道169号付近まで伊賀や紀伊の山々を自走で越えていく、という発想はアリというか、ほかのスポットと組み合わせたほうが関東からだとお得感あっていいのではないかと思います。実のところ今回はナメゴ谷だけを目的に走ったわけではなく、紀伊半島縦断を狙っていました。


なお、上記のようなプランを立てたのは自分ではなく、秋山郷紅葉酷道300kmライドに誘ってくれたイナさん( @ine_419 )です。いつも楽しいライドに連れ出してくれてありがとうございます。イナさんはTwitterを中心に活動されている自転車芸人さんです。絶景写真と身体を張ったギャグを定期的に投下しているので、フォローしておくと楽しめるのではないかと。

また今回は、103さん( @Tomy_viajar )ともご一緒させていただきました。ブログに載せているライド写真がいろいろととんでもないです。ぜひ一度ご覧になってみてください。

まずは国道309号を目指す

国道169号を走って、国道309号単独区間を目指します。目指す時点で既にかなりの山奥です。

序盤は林道風味

国道309号単独区間に入ったあたりはこんな感じ、当然のように1車線の林道風味です。

序盤は景色も開けず、黙々と上って行く感じです。ガードレールがボコボコになってないあたりに国道を感じなくもありません。

紀伊半島特有の高低差でテンションが上がってくる中盤

徐々に景色が開けてきます。

振り返ると紀伊半島の山々。このあたりから自転車乗りの奇行種が元気になってきます。

向かいの山肌にコンクリートの法面とガードレールがちら見え。紀伊半島は高低差が凄まじく、見上げたときに声が出ることが多いです。

あそこまで行けるのかと思うとテンションが上がります。

終盤は絶景の連続

終盤になってくると、紀伊半島の山並みが見渡せるように。

この日は空気が澄んでいて、大台ヶ原がはっきりと見えました。すでに景色は抜群にいいと言えるレベルですが、ナメゴ谷ならではなのはここから。

眠る龍を眺める

ナメゴ谷は有名な紅葉スポット。ただ、その紅葉は奥只見のような一色に染まるタイプでも、関東のような色とりどりになるタイプでもありません。

山肌には常緑の針葉樹のみが生え、尾根筋には広葉樹だけが生えています。写真の緑の部分が針葉樹、灰色になっているのが広葉樹の部分です。

紅葉の時期には写真では灰色の部分だけが紅葉し、その様子は天に昇る龍にたとえられます。

今回は紅葉は終わっていて、龍は休眠状態。それでも東の人間の目には十分に特異で、美しい谷だと感じられました。

紅葉の時期はクルマやバイクで渋滞するそうですし、コンスタントな上りが楽しめる峠でもあるので、自転車だと今回のようにオフシーズンに訪れても十分満足できるのではないかと思います。

ピークには西の有名スポット「行者還トンネル」

ピークには有名な行者還トンネル。シャッターを備えていることと、行者還(ぎょうじゃがえり)という名前が非常に印象的。

行者還の名は役小角が引き返したという伝承に基づくそう。役行者と弘法大師は「絡めときゃそれっぽくなる人たち」なのでうさんくささを感じてしまいますが、個人的にはむしろ良いです。

近くにある行者還岳目当てで訪れた登山客で賑わっていて、トンネル付近には畿内ナンバーのクルマが多く停まっていました。


国道309号をそのまま走り天川村側から上ってナメゴ谷を下る形が自然ではありますが、この地域特有の植生を楽しみつつ気持ちよく上れるコースプロファイルのナメゴ谷側から上ってみる価値は確実にあると思います。詳しくは↑の動画をご覧いただければと思いますが、天川村への下りはなかなかの景色、というのもナメゴ谷側からのアプローチを推す理由です。

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たまに東京を脱出しないとSAN値が保ちません。

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